*⁂*乳がんと私-病が導いた本当に望む「人生」との出会い-*⁂*

乳がんを宣告されて今年で6年目。看護師である私の闘病体験を通して、自分らしさや女性としての生き方について考える時間を提供します。

乳がんの確定診断から治療法を選択するまでの記憶

みなさん、こんにちは!

miraiです。

 

今日はどの様な気分で過ごしておられますか?

 

今回は「確定診断を受けるまでの過程と治療方針を決めるまで」

について私の経験を皆さんに共有したいと思います。

 

前回は、私が右乳房にしこりを発見して、

病院で最初に「がんの可能性」を示唆された過程までを綴りました。

empowerme.hatenablog.com

 

改めて私のその時の心中は・・半分パニックで、半分とても冷静でした。

当時は仕事に対する情熱が強かったので、

その好きな仕事を失う事への恐怖の方が、生命への危機より大きかったのです。

しかも、当時の自分には根拠のない自信があり、

どの様な状態の病気でも克服できると信じていました。

 

紹介された都内の大病院で、次々に検査を行いました。

血液検査(ガンの酵素を調べる)、エコー、マンモグフィ、造影MRIとCT、

そして細胞診、PET・・。

紹介先の先生は胸部外科の中でも肺を専門とする先生でしたが、

親身に検査結果を読んで下さいました。

 

「細胞診の結果が出るまで悪性腫瘍かどうかは分かりませんが、

画像の特徴からすると‟悪いもの”である可能性は高いと見ています。

ただし、腫瘍が1cm未満と非常に小さく、

他の検査では今の所他に転移などしている所見はありません。

ステージ0という初期中の初期です。」

 

「これが、悪性である事を前提に今後の治療についてお話します。

 

まず、細胞診の結果で何を見るかと言うと、悪性であるかないかだけでなく、

がん細胞の種類を調べます。

細胞がエストロゲンホルモン依存性なのか(Luminal型)、

それとも別の因子で刺激されるタイプなのか(HER2型)、

それらの混合であるか、またそれらのいずれのタイプの細胞も持たないのか、です。

それによって、治療法が変わります。

しかし、それは手術後までに分かれば良い事なので、

知識として理解していて下さいね。

 

今の時点で最優先される治療法は、外科手術です。

乳腺切除術ですが、乳頭を温存する部分切除と全切除が選択できます。

部分切除を選択される場合は、放射線や化学療法との併用が推奨されています。

全切除の場合は、細胞の種類や腋窩リンパ節への転移の有無にもよりますが、

ホルモン剤の内服治療だけで済む場合もあります。

miraiさんの場合、非常に小さな浸潤がんと想定されますが、

造影検査の画像を良く見ると、

造影剤がしこりのある部分から細い線で薄く乳頭まで染まっています。

まだ若いですので、再発などのリスクを考えると全切除を選択される方が

生存率が高まります。今は、同時再建術が主流になって来ましたので、

乳房の形を失うことなく全切除する事ができます。

もちろん、温存を希望する事も可能です。

 

手術では、腋窩リンパ節への転移を確認するために迅速細胞検査を行います。

万が一、転移が認められた場合は腋窩リンパも摘出します。」

 

ここまで、穏やかに説明される先生の声を聞いていたら、涙が出て来てしまいました。

私は、既に全切除する事で心を決めていたのですが、

体が変わってしまう事への淋しさや、

それのせいでこの先一生誰とも恋愛出来ないのではないかという不安が入り混じって、

急にこの病気に罹ってしまった事を悲観する気持ちが湧き上がって来ました。

 

そして、ここまで検査を進めて下さった先生は、

「私は専門が肺ですので、この先は乳腺外科の先生にバトンタッチします。

でも、miraiさんの治療チームの中にはいますので安心して下さい。

何か相談事などがあれば、いつでも連絡を下さい。」

と言って、専門医の先生の診察予約を取って下さいました。

 

当時、私が乳腺全切除を迷いなく選択した理由は、

生存率が上がるというだけでなく、長引く治療にコミットできなかったからです。

どうしても、仕事を今までと同じように継続したい、と思っていました。

もちろん、この段階で、外科手術と内服治療だけで行ける・・

とは分かってはいませんでしたが。

 

今、このブログを読んで下さっている方々の中には、

まさに治療を選択するという岐路に立っておられる方もいらっしゃると思います。

置かれている境遇も様々で、何を選択するのが正しいのか・・

非常に悩んでいる方も多いと思います。

また、発見時のステージが進んでいたり、

がん細胞のサブタイプにHER2を含んでいたりするなどで

不安を抱えながら過ごしている方も多いかもしれません。

 

魂のレベルで考えれば、我々がするどんな決断にも「誤り」はない、と言います。

こんな事、にわかには信じられないと思いますが・・

女性にとって乳房を無くすという事は、受け入れ難い寂しさと悲しさを

乗り越えなくてはいけません。

ボディーイメージが変容する、という事だけでなく、

「自分」そのものが変わってしまうような恐怖を感じるからです。

 

もちろん、片方の乳房を失った後の私は、以前と同じ私ではありません。

外見の変化がもたらした内面への影響は、私の想像を超えていました。

このお話は、もっと後に詳しく語る事になりますが、

 

それを怖がって「生命」を危険に晒してはいけない、と思います。

だから、どんなに乳房を失って自分が変わってしまっても、

それは私のした判断が「正しい」事を後に証明してくれています。

なぜなら、私はまだ生きているからです!

生きて、自分の人生を楽しむ事が出来ているからです。

 

前述しましたが、今は、乳房同時再建術が一般的になったお陰で、

乳腺切除と同時にお乳の形がもとに近い形で戻るのを最短で叶える事が出来ます。

 

最後に、乳がんと闘う全ての皆さんに向けて、

一つのスピーチを共有して終わりにします。

ケイニー・マクナニー氏をご存知の方はどれ位いますでしょうか?

彼女は代45代目ドナルド・J・トランプアメリカ大統領の報道官として

活躍する女性です。

まだお若い方ですが、乳がん発症リスクの高い遺伝子が発見されたため

予防的乳房切除術を受けた経験を語っています。

 

少しでも、同じ病気と闘う皆さんに勇気を与える事が出来たら嬉しいと思いながら、

今回の記事を閉めたいと思います。

次回は、実際の手術でした体験を共有したいと思います。

 

皆さんがハッピーな毎日を送れますように💛

 

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